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老後を考える
寿美子は孫を可愛がってくれた父親を亡くしました。亡くなる前2年間は周囲に随分迷惑をかけました。少々、痴呆症が現れて、どこの家庭でも悩む、徘徊、わがまま、暴力的な言動、被害妄想、甘えなどが頻発しました。長年連れ添った母親が浮気しているとして妄想したり罵倒したり、暴力をふるったりしましたので、母親は一時本気で周囲に離婚を口にしました。しかし、その母親も介護に疲れ果てたのか? 自分が生き延びようとする本能なのか? 自ら痴呆を装って介護を放棄するようになりました。 放っておくと家族崩壊に至ります。
広島弁で
「俺は死ぬるぞ〜〜〜!」
「俺は死ぬるぞ〜〜〜!」
と、何度、僕の勤務先に電話があったことか・・・・・・・・
自分に関心を集めたい本能は、子供にも良く見られますが、まるで駄々っ子のように振舞う姿は 正に、子供に帰ったように見えました。
見るに見かねた兄弟で病院へ入院させましたが、直ぐに抜け出して、徘徊を始めたり、居酒屋で酒をあおったりして、最早手に負えないほどの地獄を体験しました。
人間はいずれ死に至る生き物です。寿美子だって、僕だっていつお迎えが来てもおかしくない年になりました。あと残り少ない人生をどのように生きるか二人で考え始めています。
いろいろ、かしこまって残りの人生の過ごし方を考えても型にはまった生き方しか出来なくなるので、
「今何がしたいのか?」
当面、この発想で生きることにしました。
幸いに、日本医大の麻酔科で処置された顔面の神経ブロックは効果があって6ヶ月から1年は、あの衝撃的な激痛は止まるようになりました。但し、へルペスの痛みには効果がありません。
医者のアドバイスでは
「ストレスを避けて、のんびりとした健康的な生活が一番の薬です」
と言われますので、現在は、好きな 花とハワイ旅行と愛犬との近隣散歩にライフスタイルをシフトしています。
そして僕は社会奉仕活動に精を出して、生を与えられた恩返しをしています。
2002年11月28日初めて、東京大学医学部付属病院のペインクリニックを訪れた。
この病院では、レーザー治療を実験的に行っているとの新聞ニュースを見て夏以来患者が殺到しているようである。 周囲の患者に声をかけると、腰痛や帯状疱疹後の疼痛に悩む人が圧倒的に多いようである。 三叉神経の患者には未だ出会っていないが、井出康雄先生のお話では、レーザー治療は痛みが伴わずに 神経を沈静化する治療方法なので、多少、根気が要る治療方法のようである。
一口にレーザーと言っても、低出力レーザー、
スーパーライザー
、キセノン光治療などの 種類があって、問診の結果、寿美子にはスーパーライザーを星状神経と三叉神経第2肢に周1回照射することになった。
3月経過して感じたことは、知らぬ間にあの激痛は襲ってこなくなっていた。顔を洗ってもズキンと来る 恐怖感も無くなっている。更に、ここ4ケ月の間に、月に数回襲う、単純性ヘルペスが一度も発症しない。 一体、何が効いているのか分からないが、確かに効果が現れてきている。 不安神経に対する投薬は
パキシル
と言う薬に変えてみた。 これも効果があるのか、レーザー治療が不安を解消したのか、鬱状態からも脱却しつつある。 但し、鼻周辺のピリピリする痛みはまだ残っている。
井出先生の転勤で4月からはこの治療を精力的に進める
有田英子助教授
が寿美子の担当に当たることとなった。
暫く、この治療を続ける価値がありそうなので、見守って行きたいと思います。
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